こんにちは!よっぴです。
今日は「不動産投資の減価償却とは?」というテーマについて書いてみたいと思います。
減価償却なんて言葉は普段、あまり聞くことがないですよね。
会計上の言葉ですが不動産投資とは密接な関係があるのでしっかり理解しましょう。
以下、目次です。
1. 減価償却とは?
2. 不動産投資においての減価償却の意味
3. 気を付けなければいけないポイント
4. まとめ
1. 減価償却とは
簡単に言うと、経過年数や使用年数に応じて取得した資産の価値を軽減する会計処理のことです。
例えばですが、新車の車を300万円で購入したとします。
3年くらい乗り回した時に、新車で購入した時の価値と3年間乗り回した後の価値は一般的に考えて同じではないですよね。
帳簿上では取得価格300万円として資産の部に計上してますが、3年後も同じままというのも変な話です。
そこで、その車を使用した、または経過した年数に応じて価値を減らす(償却)作業をします。
実際に売れる価格や価値とは別の話として、あくまで帳簿上の処理になります。
償却可能な資産(償却資産)にはそれぞれ法定耐用年数というものがあり、例えばこの場合の一般的な車輌であれば6年となっています。
これは6年間かけて価値をゼロにしていくということになります。
この例で言うと、3年使用すると残りはちょうど半分になるので、1年ごとに300万円÷6年=50万円を毎年、償却していきます。
ですので残りは150万円となります。
2.不動産投資においての減価償却の意味
不動産投資においても同じように減価償却が発生します。
土地は年数が経過しても経年的な価値は落ちないとみなされています。
ですが建物は経過年数や使用年数に応じて劣化していきます。
不動産投資においては建物部分について減価償却を行います。
しかし、建物とひとことで言っても、建物ごとに構造や設備など違いがありますよね。
ですので、構造ごとや設備ごとに法定耐用年数は区分されています。
代表的なものは以下になります。
鉄骨造 ・・34年
鉄筋コンクリート造 ・・47年
ほとんどの建物がこの3つの構造で成り立っているので、この3つは基本的なものになるので頭に入れておきましょう。
さて、償却の考え方は先程の車輌の例と同じです。
一応、例題を書いてみたいと思います。
例. 築12年の木造のアパートを3,000万円で購入したとします。
この時の建物と土地の内訳は、土地1,000万円 建物2,000万円でした。
また、利回りは10%です。
先程も書いたように、土地は減価償却できません。
ですので、建物部分の2,000万円が減価償却の対象になります。
また、築12年なので残りの償却期間は10年(22年-12年)です。
ですので、2,000万円÷10年=200万円
毎年、200万円ずつ償却していきます。
減価償却とは、現金が出ていかない費用と同じ扱いになります。
このケースですと利回り10%ですので(例なので細かい話は省略します)年間の収益は300万円になります。
この300万円から減価償却費200万円を引くと残りは100万円になります。
この100万円の部分に課税されます。
このように減価償却は目に見えない費用として不動産投資においては節税効果があるのです。
3.気をつけなければいけないポイント
それは、不動産の売却時です。
保有期間中は減価償却費として費用計上ができるので入ってくる収益の節税になります。
しかし、不動産の売却時は、減価償却が進んでいる状態だと簿価が低くなっています。
では先程の木造アパートの例でみてみます。
この木造アパートを取得してから5年経過後に売却したとします。
売却価格は2500万円とします。
5年経過しているので、減価償却は2,000万円(建物価格)÷10年(残存耐用年数)×5年(経過年数)=1,000万円(5年間の減価償却費)
帳簿上では土地1,000万円 建物1,000万円となっています。(取得時の建物価格2,000万円から1,000万円償却したため)
ですので、この木造アパートの簿価は2,000万円となっています。
これを2,500万円で売却すると、購入時の価格3,000万円を下回っているので売買価格という点においては損失を出して売ることになりますよね。
しかし、帳簿上の価格は2,000万円なので、2,000万円のものを2,500万円で売ったことになり500万円の差益が出たことになります。
この500万円に対して、売却益なので課税されてしまうのです。
本来は損を出して売却したのに減価償却という概念によって利益が出たことになってしまうのです。
察しの良い方だともうお気付きかと思いますが、土地と建物の比率が、建物の比重が大きく、耐用年数が経過した後に売ってしまうととんでもない税金が課される可能性があるのです。
このようなことにならないように、土地と建物の内訳や残存年数、売却時にいくらくらいで売れそうかの想定など、いろいろと事前に考えておかなければいけません。
4.まとめ
このように、減価償却にはメリットとデメリットがはっきりしています。
保有時にメリットを享受するのか、もしくは売却時に足枷にならないように調整するかはその物件の特性もありますし、仕入れから売却までの戦略もあるのでまずは減価償却をきちんと理解した上でトータル的な戦略を練っていきましょう。